「猫」「アレルギー」との組み合わせをきくと、「猫に対する人間のアレルギー」を思い浮かべる方が多いと思いますが、猫が食物やそのほかの物質などによってアレルギーをおこすこともあるんですよ。
今猫と一緒に暮らしている人にとっても、これから猫を迎えようとする人に気になるアレルギー。今回は、そんな猫のアレルギーの症状と原因について説明しますね。
猫のアレルギー(1) 食品アレルギーの症状と原因
猫のアレルギーには、大きく分けて2つのものがあります。
1つは口にした食べ物が原因で起こる食品アレルギーです。
食品アレルギーの症状としては、全身のかゆみやそのかゆみが原因でおきる引っかき傷と脱毛がよく見られます。また、この症状は外見でわかるので、飼い主にとって猫のアレルギーを知るきっかけになりやすいです。
ほかにも下痢や嘔吐という目に見える症状もありますが、ほかにも発熱やおなかのはりなどの症状も。
食品アレルギーの主な原因には、アレルゲンとの接触があります。2015年ドイツの大学で行われた調査でわかったアレルゲンとして多いものは、牛肉・魚・鶏肉・乳製品・とうもろこし・小麦・ラム肉です。
この結果を見て「肉や魚、乳製品はわかるけど、小麦やとうもろこしは猫に食べさせないのでは? 」と思った方もいるのではないでしょうか。しかし、ドライのキャットフードの成分を見てみると小麦などが多く使われていることがわかると思います。
ほかにもヒスタミンが多く含まれた食品を採ることや、消化管の粘膜に損傷があるときにも食品による猫のアレルギーが起こることがあるので、注意が必要です。
猫のアレルギー(2) 接触性アレルギー症状と原因
猫のアレルギーのもう1つは接触性アレルギー。
これは皮膚にアレルゲンが接触することでおきるアレルギーで、症状としては接触した部分を引っかいたりこすったりすることのほか、赤くはれるというものが主です。
接触性という名前の通り、皮膚にアレルゲンが接触することで起こるアレルギーなので、怪我多い部分には発症しづらいのが特徴です。
このアレルギーの原因物質には植物やゴム、プラスチックなど、生活環境に多くあるもののほかに、除草剤や肥料などのガーデニングに使うものなどさまざまなものがあります。また、外用薬やノミ取り用の首輪などが原因になることがあるので、気になるときには獣医師に相談してみましょう。
猫のアレルギーの治療法
猫のアレルギーの症状と原因がわかったところで、その治療法について考えてみましょう。
食品アレルギーの場合は、アレルゲンとして考えられる食品を食べさせないという方法が一番です。
しかし、自分で調理した食品を食べさせるなど自己流のやり方では、アレルギー症状が治まっても栄養バランスが悪くなってしまうということもあるので、市販されているアレルギーに対応したフードを使うようにするのが良いでしょう。
食品アレルギーの症状が治まるまでには、4週間以上の期間が必要となるので、フードを切り替えてからすぐに効果が現れるというものではないということを覚えておきましょう。
接触性アレルギーの場合には、アレルゲンと考えられる物質を猫の生活環境から取り除く方法が一般的です。また、ダニやホコリが原因によるアレルギー反応もあるので、こまめに掃除するなどの対応も必要となります。
ほかにもシャンプーをすることで被毛などについたアレルゲンを除去するという方法も効果的ですが、石鹸などに対するアレルギーもあるので注意が必要です。
食品アレルギーの場合の膿皮症や外耳炎の併発や、接触性アレルギーの場合の皮膚炎などのような症状には、投薬による治療も必要となりますので、獣医師に相談をしながら治療をすすめるようにしましょう。