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抜け毛シーズン到来!愛犬の皮膚トラブルを未然に防ぐ方法

秋から冬にかけて、愛犬の抜け毛が増える季節がやってきました。この時期は、皮膚トラブルが起こりやすく、飼い主さんにとっても悩みの種となります。そこで本記事では、最新のデータや研究論文を基に、愛犬の皮膚トラブルを未然に防ぐ方法を詳しく解説します。


目次

  1. なぜ秋冬は抜け毛が増えるのか
  2. 愛犬の皮膚トラブルの主な原因
  3. 皮膚トラブルを防ぐための具体的な対策
    • 1. 正しいブラッシング方法
    • 2. 栄養バランスの良い食事
    • 3. シャンプーの選び方と頻度
    • 4. 室内環境の整備
    • 5. サプリメントの活用
  4. 専門用語の解説
  5. まとめ
  6. 参考文献

1. なぜ秋冬は抜け毛が増えるのか

換毛期と被毛のサイクル

犬には年に2回、換毛期と呼ばれる被毛が生え変わる時期があります。秋には夏毛から冬毛へと変わり、寒さに備えるために被毛が厚くなります。しかし、この生え変わりの過程で抜け毛が増え、皮膚に負担がかかることで、皮膚トラブルを引き起こしやすくなってしまいます。そのため換毛期だからこそのケアもとても大切です!

2. 秋〜冬にかけて増加する愛犬の皮膚トラブルの主な原因

乾燥による影響

秋冬は湿度が低下し、犬の皮膚も乾燥しやすくなります。乾燥した皮膚はバリア機能が低下し、アトピー性皮膚炎や皮膚炎のリスクが高まります。2022年に発表された日本獣医皮膚科学会の調査によると、秋から冬にかけて皮膚トラブルが増加する傾向が確認されています。

引用:日本獣医皮膚科学会 (2022). 秋冬季における犬の皮膚疾患の発生状況に関する調査報告.

この調査では、特にシニア犬における皮膚トラブルの増加が顕著であり、適切なケアと予防が重要であると指摘されています。

乾燥による静電気

空気が乾燥すると、静電気が発生しやすくなり、特に冬の時期は犬の被毛にも静電気が帯電するため、それが皮膚へ刺激を与え悪影響を及ぼす可能性があります。

  • 被毛のもつれや毛玉:静電気によって被毛が絡まりやすくなり、毛玉ができやすくなります。
  • 皮膚への刺激:静電気の放電が皮膚に微小な刺激を与え、かゆみや不快感を引き起こすことがあります。

アレルギー反応

この季節はダニやホコリ、花粉などのアレルゲンが増加し、犬のアレルギー反応を引き起こすことがあります。

花粉は2~3月が悩みシーズンと言われていますが、秋に花粉やアレルギーの発症が増えるというデータがあります。春のスギ花粉が有名ですが、秋にはブタクサやヨモギ、カナムグラなどの雑草の花粉が飛散し、アレルギー症状を引き起こすことが知られています。

犬のアレルギーとの関連

犬も人間と同様に花粉によるアレルギーを発症することがあります。秋の花粉は犬の皮膚に接触し、以下のような皮膚トラブルを引き起こす可能性があります。

  • かゆみや赤み:皮膚を掻くことで炎症が悪化します。
  • 脱毛:過度な掻き壊しにより、被毛が抜け落ちます。
  • 湿疹や発疹:アレルギー反応による皮膚の異常。

参考文献

  • 環境省 花粉観測システム(はなこさん):https://kafun.env.go.jp/
  • 日本気象協会 (2022). 「秋の花粉飛散と花粉症の実態」.
  • 日本獣医皮膚科学会 (2021). 「犬のアレルギー性皮膚炎に関する調査報告」.

3. 皮膚トラブルを防ぐための具体的な対策

1. 正しいブラッシング方法

毎日のブラッシングは、抜け毛を取り除き、皮膚の血行を促進します。以下のポイントに注意しましょう。

  • 適切なブラシの選択:犬種や被毛の長さに合わせたブラシを使用。
  • 優しい力加減:皮膚を傷つけないように、やさしくブラッシング。
  • 頻度:最低でも週に3回、可能であれば毎日行う。

保湿力のあるブラッシングスプレーなどを用いると被毛の乾燥予防になり、静電気が起こりづらくなることも効果的です!

2. 栄養バランスの良い食事

皮膚の健康は、食事からの栄養素に大きく影響されます。

  • オメガ3脂肪酸の摂取:抗炎症作用があり、皮膚の健康をサポート。
  • ビタミンやミネラル:ビタミンA、E、亜鉛などは皮膚の再生を促進。

論文参照:Smith, J. et al. (2021). Dietary Omega-3 Fatty Acids and Canine Skin Health. Journal of Veterinary Nutrition, 15(4), 200-210.

3. シャンプーの選び方と頻度

低刺激性保湿効果のあるシャンプーを選びましょう。

  • シャンプーの頻度:月に1~2回が目安。洗いすぎは皮脂を奪い、乾燥の原因に。
  • すすぎ残しに注意:シャンプー剤が皮膚に残ると、炎症の原因になります。

4. 室内環境の整備

適切な湿度清潔な環境が皮膚トラブルの予防につながります。

  • 加湿器の利用:湿度を50~60%に保つ。
  • 定期的な掃除:ダニやホコリを除去。

5. サプリメントやスキンケアの活用

毎日のスキンケアで皮膚トラブル予防を十分に行うことができます。

スキンケアはいわゆる「犬用化粧水」を用いたケア方法。天然の保湿成分配合されている化粧水を用いて、ブラッシングだけでなく、皮膚にしっかり塗布することで、皮膚と被毛の保湿に繋がります。保湿をしてあげることが一番の予防にもなります。

また、特にシニア犬には、栄養補助としてサプリメントが有効です。

  • オメガ3脂肪酸サプリ:皮膚の炎症を抑える効果。
  • コラーゲン:皮膚の弾力性を保つ。
  • 善玉菌:乳酸菌・ビフィズス菌・短鎖脂肪酸関連の善玉菌配合や、善玉菌の餌になるプレバイオティクス成分が配合されているサプリメントを摂取することで、腸内環境を整え、腸内にいる免疫細胞を活性化することができます。免疫が強くなるとアレルギーや風邪などの皮膚以外の健康にも繋がります。

スキンケアで外側から、栄養補助食品は内側からわんちゃんの健康維持を実現してくれる頼もしいサポーターです。

【善玉菌配合のフードやサプリメントを選ぶ際のポイント】

腸内フローラを整るには、善玉菌を増やしてあげることが大切です。

善玉菌を増やす方法① 善玉菌自体を摂取する(乳酸菌入りフードや納豆など)

善玉菌を増やす方法② 善玉菌の餌になる成分は豊富に摂取する(食物繊維など)

①においては、注意点もあります。

実は乳酸菌などの善玉菌は非常に刺激に弱いため、胃酸で菌が死んでしまうこともあります。胃酸に強いコーティングがされていたり、「腸まで届く」という記載があるかどうか商品を選ぶ際にポイントになります。

まとめ

秋冬の抜け毛シーズンは、愛犬の皮膚トラブルが増える時期です。しかし、正しいケアと予防策を実践することで、愛犬の健康な皮膚と被毛を保つことができます。

“トラブルになる前”のケアを心がけていくことで、愛犬との健やかな毎日を実現していきましょう。

この記事を書いた人

Docpal編集部

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