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犬の皮膚トラブル、動物病院受診の目安は?

愛犬に気になる不調があった時、どのタイミングで病院を受診するべきか悩むもの。このまま自宅療養を続けてもよいのか、それとも早急に受診すべきか、受診をして症状に問題がないと診断されることが何よりの安心にはつながりますが、費用面もつい頭に浮かんでしまい悩んでしまうことでしょう。

本記事では動物病院受診の目安を紹介します。愛犬の症状や年齢、体質に応じて気になる時は出来る限り早期に動物病院を受診しておくと安心です。

愛犬の皮膚トラブルの症状別にみる動物病院受診の目安

【1】皮膚炎  緊急度:★

一過性の症状で小さな湿疹が出来るものの、強いかゆみ脱毛を伴うこともなく、数日で症状が治まる場合です。

次第に湿疹の表面が乾燥し、硬くなり自然と消滅します。この症状が起こる原因はさまざまですが、何度も繰り返す場合は日々使用するベッドやタオルを清潔な物に取り換えたり、シャンプーや食事を見直したり散歩時に雑草の生い茂る場所を避けるなどの方法を検討しましょう。

【2】脂漏症  緊急度:★★

かゆみを伴う湿疹被毛のべたつき過度な涙やけ足指の間を舐めるなどの行動がみられる場合は、日々の食事から脂肪分を摂取しすぎていることによっておこる湿疹の可能性があります。体に取り込んだ余分な成分を排出しようとする働きがおき、さまざまな皮膚トラブルとなって発症します。この症状は必ずしも肥満と関係するものではなく、食が細い、痩せ気味の愛犬にも起こる事があります。

特に缶詰など過度に脂肪分の多い食事をしている場合には注意が必要。症状が気になる時は、日々の食事を脂肪分の少ない内容に切り替え、体質改善に取り組みましょう。

【3】アレルギー性皮膚炎  緊急度:★★★

湿疹、あかみ、脱毛、かゆみと症状が多岐に渡り、症状が治まる傾向が見られない場合は、動物病院を受診しアレルギー源を特定するための血液検査を受けましょう。

アレルギー性皮膚炎は今や8割以上の犬が何等かの症状を発症していると言われるほどに深刻です。症状の改善には食事からアレルゲンとなる素材を完全に除去することが効果的ですが、手探りでドッグフードの切り替えを繰り返すとより症状を悪化させてしまうこともあります。

まずはアレルギーの原因となる物質を特定し、一番負担の少ない方法で体調の改善を目指してあげましょう。

【4】糸状菌など感染性のある症状  緊急度:★★★★

湿疹、かゆみ、過剰な脱毛や家族への感染がある場合はカビやダニなどの感染が考えられます。カビによる皮膚トラブルは、急激に症状が進行し、産毛さえも残らないほどにひどい脱毛を起こすことがあります。

完治までには数か月の服薬と薬用シャンプーでの定期的な患部の消毒、生活環境の衛生管理の徹底が必要になります。また、ダニの寄生によるトラブルには、動物病院で処方される駆除薬の利用と生活環境全般の殺虫処理が必要です。

家族に乳幼児や高齢者がいる場合、愛犬と同じ寝具で寝起きをしている場合には家族への感染の可能性もあるので、しっかりと殺菌、殺虫処理をしましょう。

【5】腫瘍の初期症状  緊急度:★★★★★

当初は小さな湿疹だったものが、次第に肥大化している、硬く凝り固まっているなどの変化が見られた場合は、腫瘍の初期症状の可能性もあります。念の為早期に動物病院を受診しましょう。腫瘍は、背中やお腹といった目立ちやすい場所だけでなく、喉や尾先など日ごろあまり触れる事の無い場所にできる事もあります。

日ごろから意識をして愛犬の全身くまなく触れる機会をもってあげましょう。

副作用や注意点がよくわかる皮膚炎で処方されることの多い「薬」

愛犬の処方薬は市販品から動物病院の処方薬、最近では海外の製品がインターネットで販売されていたりと何かと選択肢が多く悩むものです。愛犬が口に含むものですから使用にあたっては安全面、副作用などの予備知識を持っておくと使用にあたっての判断をしやすくなるでしょう。

【1】ネオスキン-S

ペット用医薬品でもっとも歴史の長い現代製薬の発売する製品。この製品は人間のいわゆる軟膏に近い製品で、指定の症状や用途の制約が少ない分、あくまでも一過性の症状の対処に向いた製品です。

【2】動物用ゲルネFローション

外耳炎や皮膚炎の使用する市販薬。ペットショプの店頭での販売もあり、数十年来のロングセラー製品です。使用にあたっては比較的効果が明確で、副作用の報告も少なく家庭で使用しやすいと評判です。耳ダニや真菌など症状によっては効果がない場合もあるので、経過を観察し、場合によっては使用を中断しましょう。

【3】ゼレトン

かゆみが強いとき、カサカサしているとき、カイセン・ヒゼンダニ・ノミなどの寄生中の駆除に使用する薬用洗浄剤です。患部に塗布してから15分ほど置き洗い流します。効果が強い反面、刺激も強いので皮膚に傷や掻きこわし、化膿などがある場合や使用を控えましょう。また人間の手や皮膚に付着した場合は速やかに洗い流しましょう。症状の原因が特定できていない場合は安易に使用せず、獣医師に確認の上使用の可否を判断しましょう。

【4】効果絶大でも副作用の怖い「ステロイド」

動物病院で処方される薬剤の中で最も速効性があり、効き目が強い薬がステロイドです。人間の薬剤としても多様され名称をしっている方も多いでしょう。犬などのペットに使用するステロイドは、かゆみを早急に抑えたい時や化膿止めに使用されます。アレルギーや真菌、ノミダニと原因を問わずかゆみを抑制出来る効果があるので、一時的な対処策としては効果的。ただ、長期間の服用は内臓機能に負担を掛けたり、脱毛、ホルモン異常などの副作用を伴うこともあるので、服用に関してはしっかりと動物病院と相談をしましょう。

セカンドオピニオンも積極的に活用を

動物医療の発展に伴い、薬の種類や治療方法も多岐に渡るようになってきています。症状や治療に関して疑問や不安の感じることはそのままにせずに都度動物病院に相談をしましょう。

長引く治療には積極的にセカンドオピニオンを取り入れ、治療法や薬の見直しを行うことも時には大切です。

かゆみや湿疹、脱毛は愛犬に想像以上の負担とストレスがかかっています。出来る限り早期の完治、軽減を目指してあげましょう。

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カテゴリー: 皮膚トラブル

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