フレンチブルドッグやパグ、イタリアングレーハウンドとどの犬種もそれぞれ個性的な上に、被毛のお手入れが簡単と人気の犬種です。
でも実は多くの飼い主が、これらの犬種の皮膚のお手入れにさまざまな工夫をし、日々習慣化しています。短毛種を家族に迎えるときは、まずそれぞれの特性と必要なお手入れについて知っておくことが大切です。
短い鼻を持つ犬の顔の臭い対策
短毛種といえばフレンチブルドッグやパグが代表的です。
これらの犬種の人気の理由といえばもちろん、つぶれた短い鼻と、ボリューム感のある体つき、アンバランスに細い脚です。愛嬌があり、とてもチャーミングです。
ただ、共に生活をする中で、多くの飼い主が同じ悩みを抱えるようになります。
その悩みとは「顔の臭い」です。
愛嬌があり、人なつこい性格のこれらの犬種は、人間との距離感が非常に近く、大きな口を開けて飼い主の顔や手を舐めることもよくあります。もちろん、ボリューム感はあっても小型犬ですから、日常生活において抱っこをすることも度々あるでしょう。
顔の臭いは、短く鼻がつぶれていることで、顔面に深い皮膚の溝ができ、その溝に皮脂や生活汚れが溜まったことが原因でおこります。
犬の顔の臭い対策
- 専用のお手入れ用ローションや化粧水を用意します
- コットンや綿棒をローションで湿らせます
- 犬がリラックスしている状態で、溝の間を優しく拭きあげ、溝の汚れを取り除きます
この時、愛犬が嫌がる、暴れる場合は決して無理強いをしてはいけません。誤って目を傷つけてしまう可能性があるので注意をしましょう。
犬が嫌がる場合は、2人でお手入れを行うとスムーズです。1人が犬を抱き上げ、両後肢がダランと下がる状態になると、犬は力むことができなくなり、スムーズにお手入れを済ませることができます。
お手入れの際は、決して水道水を使用してはいけません。水道水は完全に乾燥するまでに時間がかかり、かえって溝の間に湿気が増え、臭いやカビ、肌荒れの原因になるので注意をしましょう。
子犬の頃から皮膚はとてもデリケート
短毛種の中でも、フレンチブルドッグやパグは、子犬の頃からデリケートな皮膚のケアを心がけてあげる必要があります。
アレルギーや皮膚トラブルの症状
- 全身のかゆみ
- 湿疹
- 脱毛
- 赤み
- 耳内部のただれ、かゆみ
- 足指間のただれ、かゆみ
- 腹部、内またなどのただれ、かゆみ
などです。
気になる症状がある時は、早期に動物病院を受診し、原因を特定し、生活環境の改善や食事の切り替えを行いましょう。
フレンチブルドッグやパグはボリューム感のある体をしっかりと支えることができる程、脚の力が強いことも特徴です。折れてしまいそうに細く見える脚ですが、飼い主の想像以上に力が強く、かゆみや不快感があると力任せに体を掻くので次第に患部は出血や化膿を引き起します。
症状が治まるまでの間は、
- 爪を短く切る
- 厚手のサポーターや洋服で患部を保護する
- 体温が上昇する運動、入浴を避ける(体温が上昇すると、かゆみが増進されます)
このようなケアを家庭で続けてあげましょう。
傷口や乾燥皮膚は、常にかゆみがあり、デリケートな状態です。皮膚内面からの治療と合わせて、表面からのケアも行ってあげるとより効果的に改善を目指すことができます。
表面的なケアには
- 専用製品での水分補給
- マッサージによる皮膚表面の刺激
- 低刺激シャンプーの利用
などが効果的です。ブラシを使用する際は、デリケートな皮膚を傷つけてしまうことの無いように「ゴム製」のブラシを使用すると安全です。
皮膚の異常は、背中や胸など目に付きやすい部位だけでなく「顎」「脇」「内股」「お尻」「耳」など皮膚の薄い部位から発症が始まることもあります。愛犬と触れ合い、じゃれ合い遊ぶ時は、飼い主の側が意識をして、顎や脇、内またに皮膚トラブルのサインが無いかを気にかけてあげましょう。
繊細な体と繊細な皮膚を持ち、寒さに弱い
イタリアングレーハウンドにミニチャピンシャー、チャイニーズクレステッドドッグなど非常に繊細な体つきと、地肌の様に薄い被毛を持つ犬種は、日頃から丁寧なお手入れが必要です。
これらの犬種は非常に皮膚が繊細で、家族が日常で使用するエアコンや暖房機器の影響だけで、皮膚が過剰に乾燥してしまうことも。非常に寒がりな犬種なので、家族としても保温と皮膚の保護のいずれを優先すべきか迷うところです。
これらの犬種は、
●寒さ対策は洋服の着用を
(洋服の素材は綿など皮膚に優しい素材がオススメです)
●体が濡れた時は、しっかりと乾かしてあげましょう
(散歩や入浴で体が濡れた時は短時間のドライヤーが必要です)
●冬の寒さ対策には、ペット用ヒーターを活用
(人間用ファンヒーターは過度に空気を乾燥させてしまいます。ペット用ヒーターが安心です)
日々のお手入れは、
- 専用ローションや製品で皮膚の水分補給
- ラバーブラシでマッサージ
- シャンプーは1,2カ月の1度(乾燥しやすい季節なシャンプーの回数は少なめに)
ということが基本です。高齢になり、脚関節のタコや部分的な脱毛がある時は、患部に水分、油分の補給とサポーターでの保護をしてあげると、愛犬の負担を軽減することができます。
短毛種はお手入れが楽というイメージがありますが、あくまでもシャンプーやカットの手間がかからないという意味です。
その分、皮膚のお手入れは日々習慣化してあげることが必要です。