日本薬学会 第133年会 学術発表【ハイライト採択】
広島大学病院(再生医療部・リウマチ膠原病科)との共同研究
広島大学病院・再生医療部 味八木茂講師、および、同病院・リウマチ膠原病科 山崎聡士助教との共同研究で、新種の藻類(RG藻類)から得られた糖脂質が関節炎、および、円形脱毛症の細胞実験系において、高い抗炎症作用を持つことを細胞レベルで確認し、その研究成果を日本薬学会 第133年会 (2013年3月27日(水)~30日(土)、パシフィコ横浜)において発表しました。
研究内容
背景
微生物研究は、医療、健康、美容、食糧、エネルギー問題などへの産業的な応用価値が高く、世界中で激しい競争が繰り広げられています。中でも藻類研究は、その有用性が指摘されながらも未開の部分が大きい分野です。 当社では、別府の高温泉に生息する新型藻類を次々に発見しており、その効果効能については日本微生物学会で発表し特許出願済みです。 古くから美肌の湯として知られる別府の温泉から、美容と健康を大いに期待できる新世代の化粧品開発に向け、全力で取り組んでいます。
新規藻類(RG藻類)から糖脂質を抽出・精製
別府温泉において発見したRG藻類から糖脂質を抽出・精製し、薄層クロマトグラフィー、および、ガスクロマトグラフィー質量分析法により、有効成分としてモノガラクトシルジアシルグリセロール(MGDG)、ジガラクトシルジアシルグリセロール(DGDG)を同定しました。さらに、これらを高濃度で含む糖脂質溶液(RG糖脂質)を作成することにも成功しました
関節炎モデルにおける抗炎症作用を証明
RG糖脂質が炎症を惹起した滑膜細胞の炎症性サイトカイン(IL-1β, IL-6, TNF-α)の遺伝子発現を減少させることをリアルタイムPCR法により証明しました。また、RG糖脂質が関節破壊に関与するマトリックス分解酵素MMP-3の発現量を減少させることを酵素結合免疫吸着法により証明しました。
円形脱毛症モデルにおける抗炎症作用を証明
RG糖脂質が炎症を惹起した毛乳頭細胞の炎症性サイトカイン(IL-1β, IL-6)の量を減少させることをリアルタイムPCR法により証明しました。
藻類エキス入りスキンケアローションの開発と被験調査
藻類エキス入りスキンケアローションの開発と被験調査 RG糖脂質を含むスキンケアローションを開発し、被験調査を実施した結果、高い評価を得ることができました。
藻類について
藻類は酸素発生型の光合成を行う微生物の総称です。約30億年前に地球に酸素をもたらしたのも藻類の仲間です。昆布やワカメなどの海藻類のように生活に密着しているものもありますが、ほとんどの藻類は未だにその正体が明らかになっていません。藻類の光合成装置に含まれる天然糖脂質は抗炎症作用に富み、医療、健康分野への応用が期待されています。
ハイライト集に採択
日本薬学会広報委員会の査読を経て、本年会のハイライト集にも採択されました。
健康産業新聞に掲載
日本薬学会の記事が掲載された「健康産業新聞」にも掲載されました。