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【研究発表・講演】第14回 日本ミトコンドリア学会

学術発表『発毛エネルギーの調節機構を解明』

サラヴィオ中央研究所では、生体内でエネルギー生産を担う細胞小器官であるミトコンドリアの機能解析を行ってまいりました。  
今回、毛包の形成、および、毛周期における成長期誘導因子であるPDGF-AAが毛乳頭細胞において、より多くのATPを産生する線維状ミトコンドリアを誘導することを見出しました。
また、当社が開発した温泉原料である加水分解酵母エキスにPDGF-AAと同様のミトコンドリア活性化作用があることを確認しました。  
この研究成果を第14回 日本ミトコンドリア学会(2014年12月3日(水)~5日(金)、九州大学 百年講堂)において発表しました。

研究成果の概要

毛乳頭細胞には線維状ミトコンドリアと円形ミトコンドリアが共存する

毛乳頭細胞(初代培養)のミトコンドリアを蛍光色素で染色して、蛍光顕微鏡観察したところ、細長い線維状のミトコンドリアと小さく丸まった円形ミトコンドリアの2種類が観察されました。線維状ミトコンドリアのみを持つ毛乳頭細胞、および、円形ミトコンドリアのみを持つ毛乳頭細胞は共に全体の約3割で、残りの細胞では、両タイプが混在することが明らかになりました。

PDGF-AAは線維状ミトコンドリアの割合を増やす

毛包の形成と毛周期の制御に関わるPDGF-AA (血小板由来成長因子)が、線維状ミトコンドリアを持つ毛乳頭細胞の割合を濃度依存的に増加する事を見出しました。

PDGF-AAはミトコンドリアの酵素活性を促進しATP生産を増強する

PDGF-AAはミトコンドリアの酵素活性、および、ATP生産活性を促進する事が判明しました。この酵素活性とATP生産活性には極めて高い線形性が認められた事から、 PDGF-AAはミトコンドリアを活性化させることにより、ATP生産を促すことが示唆されました。一方、PDGF-AAは、毛乳頭細胞の細胞増殖活性、ミトコンドリアの膜電位、および、ROS発生量には影響を与えませんでした。

PDGF-AAは毛乳頭細胞の遊走活性を高める

スクラッチアッセイにおいて、多くのエネルギーを必要とする細胞の遊走時には、線維状ミトコンドリアが優位になることが判明しました。PDGF-AA添加によりさらにその割合が増加し、毛乳頭細胞の運動活性も顕著に高まることが分かりました。この作用は、上記のPDGF-AAによるミトコンドリア活性化機構に基づくと考えています。

線維状ミトコンドリアが遊走中の毛乳頭細胞を支配する

スフェロイド(細胞塊)内の毛乳頭細胞では、円形ミトコンドリアが支配的であるのに対して、スフェロイドから遊走する毛乳頭細胞では、線維状ミトコンドリアが著しく増加することが判明しました。毛乳頭細胞は遊走時には、ATPをより多く産生する線維状ミトコンドリアを利用することが示唆されました。

加水分解酵母エキスは線維状ミトコンドリアの量を増やす

スフェロイド(細胞塊)内の毛乳頭細胞では、円形ミトコンドリアが支配的であるのに対して、スフェロイドから遊走する毛乳頭細胞では、線維状ミトコンドリアが著しく増加することが判明しました。毛乳頭細胞は遊走時には、ATPをより多く産生する線維状ミトコンドリアを利用することが示唆されました。

加水分解酵母エキスはミトコンドリアを活性化してATP生産を増強する

スフェロイド(細胞塊)内の毛乳頭細胞では、円形ミトコンドリアが支配的であるのに対して、スフェロイドから遊走する毛乳頭細胞では、線維状ミトコンドリアが著しく増加することが判明しました。毛乳頭細胞は遊走時には、ATPをより
多く産生する線維状ミトコンドリアを利用することが示唆されました。

加水分解酵母エキスは細胞遊走活性を促進する

スフェロイド(細胞塊)内の毛乳頭細胞では、円形ミトコンドリアが支配的であるのに対して、スフェロイドから遊走する毛乳頭細胞では、線維状ミトコンドリアが著しく増加することが判明しました。毛乳頭細胞は遊走時には、ATPをより多く産生する線維状ミトコンドリアを利用することが示唆されました。

研究の背景

PDGF-AAが関与する毛包形成や毛周期の成長期では活発な細胞運動や細胞分裂が行われる為、多くのエネルギーが必要です。このような高エネルギー要求性の細胞機能にはミトコンドリアの機能制御が深く関わっていると考えられますが、今日まで推測の域を超えていませんでした。私たちは、毛乳頭細胞においてPDGF-AAがミトコンドリアの形態と機能にどのような影響を与え、それらが細胞機能にどのように関連するのかを検討してきました。また、化粧品原料である加水分解酵母エキス(温泉酵母から調製)についても同様の検討を行い、ミトコンドリア研究に基づいた商品開発を展開してきました。

今後の研究について

今回、毛周期を司る毛乳頭細胞におけるミトコンドリアの制御機構の仕組みの一部が解明されました。今後もミトコンドリアの形態と機能、および、それらを制御する因子を網羅的に特定し、脱毛症をはじめとする各種疾患との関係を模索していく予定です。また、当社独自の温泉原料である加水分解酵母エキスがミトコンドリアの機能制御を介して細胞を活性化する事が判明したので、これを用いたヘアケア、スキンケア商品の更なる開発を進めていきます。

2014年12月6日 サラヴィオ中央研究所

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